サービスの特性と本当の価値とは!?基本が分かる1冊!
この本は「サービス」についての本です。
日本でサービスというと「無料」「オマケ」や「丁寧さ(例:サービスが良い)」などの意味で使われがちですが、サービスはれっきとした「価値ある商品」です。
小売業で働いていますが、商品はメーカーや商社から仕入れるため、基本的に他店でも購入できます。
小売業は、立地、品揃え(=面積)など固定的な要因が大きく、変更が容易な価格競争に陥りがちです。
そういった状況を改善するために読んだ本が、山本昭二『サービス・マーケティング入門』(日経文庫)です。
この本では「そもそもサービスとは何か」というところから再確認できます。
小売業の扱っている商品は、形がある「有形財」です。
一方、サービスは形のない「無形財」です。
例えば美容室は「髪をカットする」という無形財を商品として扱っています。他には教育、
医療、介護などもサービスです。
無形財の特性は?

具体的には以下です。
・在庫しておくことができない。
・生産と消費と売上発生が同時に起こる。
・サービスの内容を知る手がかりが少ない
・人に依存する比率が大きく品質が一定でない
・実際に体験した後でないと価値が分からない、など。
例えば、タクシーに乗って同じ目的地に辿り着いたとしても、運転手によって満足度は異なると思います。
これは「サービスの品質」の問題と言えます。
このような特性のあるサービスをどのように活用すれば良いかが「マーケティング」の部分になります。
リレーションシップ・マーケティングは、顧客との関係性の長さに注目したものです。
美容院では予約の際に指名できることが多いですが、これはカット技術だけでなく会話などの「人と人との関係」も重要な要素です。
本書では「信頼財」と表現されています。
この関係性を維持することが利益をもたらします。
一方で、小売業はマニュアル一辺倒の対応をしがちです。
しかし、「ビジネスマン」「ベビーカーを押しているお母さん」「お年寄り」などによって最適なサービスが異なることは容易に想像できます。
インターナル・マーケティングは、顧客ではなく従業員に向けたマーケティングです。
本書では、上記のような「人と人との関係」は、(特段の問題がない限り)企業が厳しく管理すべきではないという考え方をとっています。
インターナル・マーケティングによって従業員満足度を上げれば、離職率を低下させ、教育コストを下げ、顧客との関係性維持にもつながります。
有形財を販売している小売業でも、このような「サービス」の考え方を取り入れることで、価格競争以外の面で、自店舗ならではの価値を生み出すことができるのではないかと思います。
また、その価値は自店舗で働いている従業員により生み出されており、「人と人との関係」などは他店舗には模倣することができません。
美容室であれば、馴染みのスタッフが勤務店舗を変えると、顧客までそちらに流れることすらあります。
そして人と人との関係から生まれる価値を高め、継続して利益を生み出すには、従業員満足度を高めること重要ということになります。
しかし難しいのは、小売業が提供する価値の中から、本当の意味の「サービス」を見出すことです。
小売業は、発注し、仕入れ、陳列し、レジで売る、というルーチンワークが当たり前のように頭や体に染みついているため、自分たちの仕事のどこに「価値あるサービス」が存在するのかが、とても見えづらいです。
これについては、日々のルーチンワークに追われるだけでなく、自分たちが行っている仕事をできるだけ客観的に見直す努力が必要になると思います。
まとめ
この本を読んで価格競争をせずに当たり前のルーチンワークの中でサービス価値を見出すという意識を持たされました。
是非同じ小売業の方などに読んでもらいたい一冊です。
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